オッサンは黙ってドルツのジェットウォッシャー
ジェットウォッシャーが最高だった話です。
白状すると、オッサンなのは私の口腔内である。ここ1年ほど、自分の口はもしや臭いのではなかろうか?という疑念に駆られながら過ごしてきた。
きっかけはマスク。
マスクって自分の吐いた息がダイレクトに鼻めがけて跳ね返ってくるけど、あれ普通の人はいい香りがしたりするんですか? いたら教えてください!!!
けれどもマスクって、不織布も布もウレタンも当てしてまあまあ変な匂いするし……まあ大丈夫! くらいに考えてやり過ごしてきた。
毎食後歯磨きしてるし、歯間ブラシとかデンタルタフトとか使ってるし、定期的に歯科検診も行ってるし……と胡座をかいていた。が、甘かった。
奴はそんな私の心の間隙に潜んでいたのだ。
心というか歯の間
いや、やっぱ臭いわ。気のせいにしようとしたけれど、やはりどう考えても臭う。煙草と加齢臭でどえらいことになっている中年男性がたまにいるが、私の奥歯もマスクをつんざくほどの威力だったらどうしよう……周りの人たちに申し訳ない。
そう思い直し、飽くなき執念でもって探り当てた臭いの元は……
右下奥歯と歯茎の間だった。
試しにデンタルタフト(ちっさいスポット用歯ブラシ)を、奥歯の向こう側(歯茎側)に突っ込んでみると
エッあの……くさい
久しぶりに泣いた。しかも
なんか……ぽろって出てきた!!!!
めっちゃ臭い結晶みたいなやつが出てきたのだ。
足爪の垢的ビジュアル、嗅覚を一瞬にして破壊しかねない劈くような臭気……奥歯にオッサンを飼っているなんて思いもしなかった。許さない……
もう僕らに残された道は一つ
このままではいけない、つのる焦燥感。正体がわかった途端ますます臭く感じる奥歯。すがる思いで買ったのがこちら。
かんたんにいうと、
よくテレビ通販なんかで売ってる、庭のタイルやら家の外壁の汚れやらを水でブワァァァァァってして綺麗にできる、家庭用ジェットウォッシャー。
あれのお口バージョンである。
使ってみた
これはコードレスタイプで、使うときに都度水を入れる仕様。200ml入る。
入れたら蓋をしめる。
本体とは別に、専用ノズルがついてくるのでこれを装着。水が出てくる部分。
向きを変えられるので、上の歯、下の歯で変えると良さそうな感じだ。
ボディには電源ボタン、水圧レベルの操作ボタンがついている。
なるほど、出てくる水の威力を5段階チェンジできるよう。
レベル1……これは雑魚だな、レベル2もお子さま用だ。
結局MAXレベル5にするのは目に見えているけれども、手慣らしで3からやってみよ……
ピッ
アッッ待っっまっ冷ぶっひゃげべべばぼbb
逝くところでした。レベル1からがおすすめ!! (使用から1年弱経った今でも、私はレベル3が限度)
それから、入れる水はぬるま湯にするべき(冷水を入れて無事死亡)
使用感
気を取り直し、レベル1の水圧で使ってみる。
ほおーーーきもちええ……
歯茎が水で刺激される感じが新感覚! 普段歯ブラシでも磨かないものなあ
歯と歯茎の境界の部分がさっぱりしてきてグッド。
そうこうしてるうちに、どんどん口内に水が溜まってくるわけなので定期的に吐き出す。
自分の口の中の汚れをどんなもんか見てみたくて、洗面器に出してみた。
は?この世の終わりか?
なんかカスみたいなのがいっぱい……お前そこで何してるん……? 歯磨きしたやん
ちょっと写真なんてとてもじゃないけれど載せられないくらいの汚水だった。
ただ使い終わってみると、口の中がすっきり!嬉しい!!
地獄の釜だった右下奥歯も、デンタルタフトでチェック……
臭くない!!!
これが一番嬉しかった。ほんとに。
さようなら激臭奥歯。
お手入れ
使い終わったら、全体を水洗いして乾かすのみ。パーツは取り外せるので衛生的。
1回の使用で、水は途中で足さなくても最初に入れた分だけで足りた。上下の歯列を繰り返しじゃばじゃばできるくらいには十分(約1分間くらい)。
それからこのコードレスタイプのドルツは充電式。一度充電したら、毎晩使っても1ヶ月近くはもつ。
充電が減るにつれ、使用中の水圧がだんだん弱くなってくるのがわかる。
そのうちウゥーーン……って停止してしまうので、そうなったら充電。
ありがとうドルツ
以下感想。買ってよかったです。
奥歯に平穏が訪れたのは言うまでもなく、なにやら歯茎がマッチョになってきた模様。というのも先日歯医者さんで定期検診を受けたら、歯周病リスクの数値が改善していたのだ! 圧倒的ヘルシー。
使ってみて、歯磨きだけでは落としきれない口内の汚れって思っているよりあるんだなということと
水圧で刺激を与えるのは歯茎的にもよいということがよーく分かった。
口臭が気になるかも……? って方、
奥歯に不穏な様子が見られる方(私)、
オーラルケアに何かプラスしたいなって方、
ドルツおすすめです。
こんなのもあるみたい
私のものはドルツのコードレスタイプなのですが、シリーズで他にも色々。
▼据え置き用
パナソニック 口腔洗浄器 ジェットウォッシャー ドルツ 白 EW-DJ74-W
水圧レベルは10段階、充電ではなく交流式。
▼携帯用
パナソニック 口腔洗浄器 ジェットウォッシャー ドルツ ポータブルモデル 白 EW-DJ41-W
水圧レベルは4段階、充電式。
などなど。
私の場合は、自分しか使わないかつ家でのみ使うので、コードレスタイプで満足。
上に述べたとおり、給水や充電の点でも不満なし。
PS2でTVでゲームするのもいいけどやっぱり携帯ゲーム機って大好きだ。3DSとかPSPとか。うちのPSPはバッテリー抜いちゃってもう使えないんだけど……(なんかバッテリーが膨らんでいた。あれなんなの)
でもスマホでドラクエとかやるのはしんどいよね
おわり
クリープハイプにハマった夏、超キラキラしてて一生忘れない
クリープハイプにハマりました。
呼び水
2021春。暇を持て余していたので、Spotifyでプレイリストを作っていた。せっかくだから普段あまり聴かないアーティストを盛り込む。そうでもしないと、平沢進とグスタフ・マーラーをエンドレス・リピートするはめになる(音楽にも食べ合わせというものがあると思いませんか。ジャンルとはまた別として。そして平沢進の隣に何を持ってくるべきかは永遠の課題)。結果として邦ロックが中心になる。
その中に紛れ込んだのが、『オレンジ』だった。
「尾崎世界観」という名前は知っていた。しかし私の頭の中では、なぜかGalileoGalileiのボーカルということになっていた。完全に尾崎違いだ。豊と間違えなかっただけまだよかったかもしれない。ファンの方、ごめんなさい。それくらい邦ロックに疎かったと思ってください。
『オレンジ』を聴く随分と前だが、クリープハイプとは既に出会っていたらしかった。学生時代、うだつの上がらん文化系クラブの部室の片隅で、部員の誰かのiPodから流れていたのが『憂、燦々』だった。
とはいえ、部室のBGMとして聴き流していた当時はその曲を、クリープハイプというバンドの曲とは認識していなかった。そのときの感想は「変な声のボーカルのロック」に終わっていた。ファンの方、ごめんなさい
それから何年も経ち、私はこっぴどい失恋を経験するはめになった。強制終了される恋というのはマジの辛さがある。 恋人と別れた時、かつて貰ったネックレスのチェーンが絡まって解けなくて、それがもうなんだか全てを物語っているようにさえ思える始末だった。あいたたた
恋の渦中にいる人間は、ましてそこから取りこぼされそうな人間は、自分の心象風景を説明するために何でもかんでもこじつけたがるんだよね。今だから思うけれど、そういうのは見っともないことである。だけど渦中にいる人間は気づかない。
クリープハイプと再開したのは、そんな恋を手放したあとだ。もっと言えば、恋が終わりややあって、次の何かが始まろうとしている、そういうフェーズだった。
そのときの私は時間に身を委ね、ようやく前を向けるようにはなっていた。
ただ恋愛に前向きかと問われると、あやふやな答えしか返せない。恋をして得られるものなんてたかが知れていて、それに引き換え恋が終わったときに失うものは大きい。恋愛ってコスパ悪いね……
だから、目の前で始まろうとしているものの方角がどちらを指しているのかも気づきながら、うやむやにして満足していた。
これも今だから言えるけれども、そういうことは人間関係においてとっても失礼なことだった。
光の先
5月の晴れた日、ドライブに誘われた。恋めいた陽射し、恋めいたおデート。馬鹿な自分の頭でも、これからどうなるか&どうすべきかくらいは判る、その頃にはそういうところまで来てしまっていた。
それでも頭の中では堂々巡りを続けていた。
失恋なんて引きずってないふりをして、実際はその延長線上でぐずぐずしている。今目の前にいる人を見ているつもりで、実際は昔の自分だけを見ている。運転席にいる、この人の気持ちを私はどうしたいのか、知ったふりをして知らずにいる。
隣に座りながら、ぐるぐるとそんなことを考えていた。時間がなかった。
カーステレオからその歌詞が聴こえてきたのは、高速道路を降りる直前だったと思う。せっかくだから私の好きな曲を流そうと言われ、先日作ったプレイリストを流していた、その一番最後の曲だった。
クリープハイプ『オレンジ』とモニターに浮かぶ文字。聴き覚えのある癖のあるボーカル。クリープハイプというバンドだったのか……良い曲だ、と素直に思い、同時に泣きそうだった気もする。きっと上手くいくってさ。なんだ根拠も無いのに。根拠のないハッピーなんてのはインド映画だけでいいのだが。
アルバム名は、『死ぬまで一生愛されてると思ってたよ』。はい思ってましたが私も!! けど何なのよ、上手くいくって。ちょっと勇気が調子乗り始めた。どうしてくれるんだ。
こちとらとっくに馬鹿なのに、また恋をして大馬鹿になれということか。いやでも……案外上手くいったらどうしてくれるんだよ。
大馬鹿に生まれついて
結論。その日、ドライブの彼と付き合い始めた大馬鹿者は私だ。両片思いみたいなものだった。
それからというもの、この夏はとにかく楽しくて、嫁作画疑惑のあったときのH×Hばりに信じられないキラキラっぷりだった。(少年漫画であんなトーン見たのは初めてだった)
『オレンジ』の歌詞が背中を押したことは間違いない。別にこんなしょうもない恋を歌っているのではなくても、自分を勇気づける動力としては十分だった。自分の気持ちのために、何でもかんでもこじつけたがる。本当に見っともないことだと思う。
見っともなくて幸せである。
それからずっとクリープハイプを聴いている。全身全霊の投球で吹っ飛んでくる歌詞とメロディーを受け止めるのに必死だ。ボーカル尾崎氏の著書も読んだ。さらに好きになった。
先日のRUSH BALL2021に参戦したい気持ちは山々だったが、またいつか会える日が来てほしいと、心から願って自粛を選んだ。
ついこの間にリリースされた『しょうもな』も素晴らしいので、みんな聴いてください。
これからもっと、クリープハイプの沼に沈んでゆくことを祈念して。
出会えてよかった。おわり